小脳中心小葉[第II・III小葉]Lobulus centralis cerebelli [II et III]
解剖学的位置と構造
- 小脳上虫部において、小脳小舌と山頂の間に位置している (Schmahmann et al., 1999)。
- 第II小葉と第III小葉(Larsellの区分)から構成されている (Larsell, 1952)。
第II小葉の特徴
- 小脳前葉の一部として、小脳虫部を構成している (Voogd and Glickstein, 1998)。
- 運動制御と平衡機能の調節に重要な役割を果たしている (Ito, 2006)。
第III小葉の特徴
- 小脳半球上面に広がり、中心小葉腕を介して小脳虫部と連続している (Apps and Garwicz, 2005)。
- 前庭系との協調により、運動学習と運動調節に関与している (Ramnani, 2006)。
- 深部小脳核への出力を通じて、姿勢制御と運動の微調整に重要な役割を果たしている (Manto et al., 2012)。
臨床的意義
- 小脳中心小葉の損傷は、姿勢維持と運動協調に影響を及ぼす可能性がある (Schmahmann, 2004)。
- 前庭小脳系の一部として、平衡機能の維持に重要な役割を果たしている (Balaban et al., 2002)。
- 損傷時の症状として、歩行障害や姿勢の不安定性が見られることがある (Morton and Bastian, 2004)。
発生学的特徴
- 胎生期の小脳発生過程で、前葉の一部として形成される (Hatten and Roussel, 2011)。
- 発生学的に原小脳と呼ばれる領域から発達する (Leto et al., 2016)。
解剖学的関係
- 小脳中心小葉は、上小脳脚の背側に位置している (Standring, 2015)。