小脳虫部[第I-X小葉]Vermis cerebelli [I-X]
基本構造と位置
- 小脳虫部は、小脳正中部に位置する無対の構造で、系統発生学的に古い部分である。
- 上虫(小脳小舌、中心小葉、小山、虫部葉)と下虫(虫部隆起、錐体、虫部垂、虫部小節)に大別される。
神経解剖学的特徴
- 前庭神経核群、橋、延髄の網様体へ投射し、平衡感覚と姿勢制御に重要な役割を果たす。
- プルキンエ細胞の軸索は、室頂核に終止する。
機能的分化
- 前葉(第I-V小葉)は、運動制御と姿勢維持を担当する。
- 後葉(第VI-IX小葉)は、認知機能や情動処理に関与する。
- 小節小葉(第X小葉)は、特に前庭機能との関連が強い。
臨床的意義
- 損傷により、平衡障害、歩行失調、眼球運動障害などの症状が生じることがある。

図408(脳の正中断面)

図418(第三脳室、大脳基底核と脳幹の一部、四丘体、小脳の上面)

図422(脳幹、四丘体付近、菱形窩)

図426(小脳:下面からの視点)

図427(小脳:前下方からの視点)

J0839 (小脳:下前方からの図)
