赤核 Nucleus ruber
解剖学的構造
- 中脳被蓋の網様体中央に位置し、桃黄色の卵円形の核として存在する (Onodera and Hicks, 2009)。
- 大細胞部と小細胞部に分かれ、上丘下端から間脳下部まで伸展している (Ten Donkelaar, 2020)。
神経接続
- 大脳皮質(運動野)と小脳歯状核から入力を受け、運動制御の中継核として機能している (Massion, 1988)。
- 赤核脊髄路を介して、対側の脊髄前角細胞へと投射を行う (Kennedy et al., 1986)。
機能的役割
- 大細胞部は、主として上肢の運動制御を担当している (Keifer and Houk, 1994)。
- 錐体外路系の一部として、姿勢の制御と運動の円滑性の維持に寄与している (Keifer and Houk, 1994)。
臨床的重要性
- 損傷が生じると、対側に企図振戦や運動失調が発生する可能性がある (Kase et al., 2018)。
- 小脳性運動失調における代償機構として、重要な役割を担っている (Schmahmann, 2019)。
発生学的特徴
- 中脳胞から発生し、胎生期早期から形成が始まる (Puelles, 2019)。
- 発生過程で大細胞部が先に形成され、その後小細胞部が発達する (Puelles, 2019)。
進化学的意義
- 系統発生学的に古い構造で、下等脊椎動物から哺乳類まで保存されている (Ten Donkelaar, 2020)。
- ヒトでは大脳皮質の発達に伴い、相対的な機能的重要性が減少している (Massion, 1988)。
組織学的特徴