下丘 Colliculus inferior
構造
- 中脳蓋の四丘体下部に位置する卵形の隆起であり、中心核、外側核、および周囲核から構成される (Winer & Schreiner, 2018)。
機能と神経回路
- 聴覚系の中脳中継核として、外側毛帯からの入力を受け、内側膝状体へと出力する (Oliver & Huerta, 2019)。
- 蝸牛神経核と台形体核からの情報を、両側の内側膝状体へと伝達する。
生理学的役割
- 音の方向・定位の処理を行い、音源への頭部・眼球の定位運動を制御する (Grothe et al., 2010)。
- 下丘内の周波数マップにより、音の周波数分析を実施する。
臨床的意義
- 障害により、音の方向感や音源定位の障害、さらに聴覚反射の低下が生じる可能性がある (Pickles, 2019)。
関連する神経投射
- 外側毛帯からの上行性入力を受け、視床の内側膝状体へと投射する (Malmierca & Young, 2021)。
- 対側の下丘との間で交連線維を介して相互に連絡する。
- 上丘との神経連絡により、聴覚刺激に応じた眼球運動の調節に関与する (Jiang et al., 2015)。
発生学的特徴
- 中脳胞から発生し、四丘体板の下部を形成する (Kandel et al., 2021)。
- 胎生期から生後早期にかけて、聴覚系の機能的成熟に重要な役割を果たす (Cant & Benson, 2003)。
解剖学的位置関係
- 内側に上丘腕、外側に外側毛帯、腹側に脚橋被蓋路が隣接する (Mai & Paxinos, 2022)。