広義の大脳脚

広義の大脳脚とは、中脳の腹側部で、背側の中脳蓋(四丘体)および中心灰白質背側部を除いた中脳水道水平中央断面より腹側の部分を総称したものです。これはさらに背側の中脳被蓋と狭義の大脳脚に分かれます。中脳被蓋には、動眼神経核群、中脳網様体、赤核、黒質、内側毛帯などの著名な構造物が存在します。

もともとは、全脳と後脳を連結するやや細くなった首状部分である中脳の両半分の部分を指す名称でしたが、その後、様々な意味で用いられるようになりました。Crus cerebriと呼ばれる皮質投射線維の大きな束のみを指したり、これに被蓋を加えたものを指したりしますが、後者の方が好ましいです。また、脚底にある黒質は、被蓋とcrus cerebriの境界を成す構造と見なされています。

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J0834 (脳の底部:下方からの図)

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J0835 (脳幹:右方からの図)

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J0842 (四丘体および周辺:後上方からの図)

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J0843 (脳:下前方からの図)

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J0861 (図863-871で示された切断方向を示す、成人の脳幹を後ろから右側からの図)

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J0871 (動眼神経の高さを通る脳幹の断面)

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J0862 (図873-880で示された切断方向を示す、8〜9か月の人間の胎児の脳幹:後方およびやや右側からの図)

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J0880 (動眼神経の開口部の高さ、8-9ヶ月胎児の脳幹の断面)

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