中脳 Mesencephalon
基本構造と位置
- 中脳は、脳幹の最上部に位置し、背側に上下丘、腹側に大脳脚を持つ、最小の主要脳部位である。
- 背側部、中部、腹側部、外側部の4部位で構成され、中央を中脳水道が通る。
主要な構成要素と機能
- 黒質は、ドーパミン作動性神経核として運動制御に関与し、赤核は、運動制御と姿勢維持を担う。
- 上丘は視覚反射と眼球運動を、下丘は聴覚情報の処理を担当する。
- 動眼神経核と滑車神経核が存在し、眼球運動の制御に重要な役割を果たす。
臨床的および発生学的特徴
- 中脳の障害は、眼球運動障害やパーキンソン症状を引き起こす可能性がある。
- 胎生期の神経管中脳胞から発生し、背側部が四丘板に、腹側部が大脳脚に発達する。
- 血液供給は、脳底動脈、後大脳動脈、後交通動脈、上小脳動脈から受ける。

図418(第三脳室、大脳基底核と脳幹の一部、四丘体、小脳の上面)

図419(中脳の横断面)

図420(脳幹と脳神経を示す図)

図428(中脳、間脳および尾状核の上方からの図)

J0842 (四丘体および周辺:後上方からの図)
中脳の動脈分布
日本人のからだ(後藤 昇・国府田 稔 2000)によると