菱形窩 Fossa rhomboidea

図421(菱形窩の表面像)

図422(脳幹、四丘体付近、菱形窩)

脳梁膨大部を通るCに対応する面

J0814 (脊髄:後方からの図)

J0836 (菱形窩:後方からの図)

J0837 (菱形窩:後方からの模式図)
1. 解剖学的構造
1.1 基本構造と区分
- 菱形窩は、第四脳室底面を形成する脳幹背側部の菱形の凹みであり、正中溝により左右に分けられる (Lang and Wachsmuth, 2022)。
- 正中溝および境界溝により、内側部と外側部に区分される (Standring, 2023)。
- 第四脳室髄条により上下に区分され、上窩と下窩の凹みを有する (Williams et al., 2023)。
1.2 主要な構成要素
- 上部には、内側隆起と前庭神経野が存在し、顔面神経丘と青斑を含む (Williams et al., 2023)。
- 下部には、舌下神経核(内側)と迷走神経三角(外側)が位置する (Standring, 2023)。
- 内側隆起は顔面神経核と外転神経核の位置を示す重要な指標となる (Matsushima et al., 2021)。
1.3 形態計測学的特徴
- 日本人の研究により、第四脳室髄条は3~11条存在し、調査した30例の脳すべてで確認された (Goto and Koda, 2000)。
- 菱形窩の大きさは、矢状径が平均34.7mm(男性35.5mm、女性33.9mm)、横径が平均22.2mm(男性22.5mm、女性21.9mm)である (Goto and Koda, 2000)。
- これらの計測値は性差を認めるが、個体差も大きいことが明らかとなった (Goto and Koda, 2000)。
2. 組織学的構造
2.1 上衣細胞層
- 菱形窩の上衣細胞層は、一層の円柱上皮細胞で構成されている (Ross and Pawlina, 2023)。
- 上衣細胞の基底部には、豊富な星状膠細胞が存在し、神経組織との境界を形成する (Ross and Pawlina, 2023)。