第四脳室 Ventriculus quartus
基本構造
- 第四脳室は、菱形脳内に位置し、中脳水道と中心管を連結する脳室系の一部である (Standring et al., 2021)。
- 第四脳室蓋と菱形窩によって囲まれており、その内面は上衣細胞によって覆われている (Crossman and Neary, 2019)。
解剖学的特徴と機能
- 脈絡叢を含む第四脳室脈絡組織を有しており、脳脊髄液の産生に重要な役割を果たしている (Laterra et al., 2020)。
- Luschka孔(外側口)とMagendie孔(正中口)を介して、クモ膜下腔と交通している (Matsushima, 2020)。
- 延髄と橋の背側に位置しており、これらの脳領域の保護と栄養供給において重要な役割を担っている (Snell, 2019)。
臨床的重要性
- 第四脳室の閉塞や機能障害は、水頭症などの重篤な神経学的疾患を引き起こす可能性がある (Greenberg, 2020)。
- 脳腫瘍や炎症性疾患の診断において、第四脳室の形態変化は重要な指標となる (Osborn, 2022)。
発生学的特徴
- 菱脳胞の腔が発生の過程で第四脳室となる (Sadler, 2019)。
- 胎生期の神経管の拡張部から形成され、脳室系の発達において重要な役割を果たす (Moore et al., 2020)。
解剖学的境界
- 上方は中脳水道(中脳)と接続している (Crossman and Neary, 2019)。
- 下方は中心管(延髄)へと連続している (Standring et al., 2021)。
- 側方は小脳脚によって境界づけられている (Matsushima, 2020)。
周辺構造との関係
- 前方(腹側)は橋と延髄の背側部が位置する (Snell, 2019)。