上オリーブ核 Nucleus olivaris superioris
解剖学的特徴と機能
- 内側毛帯と三叉神経脊髄路核の間に位置し、聴覚系の重要な中継核である。
- 両側の蝸牛神経核からの入力を受け、音源定位において中心的な役割を果たしている。
主要構成要素
- 外側上オリーブ核は、両耳からの音情報を統合し、音の方向性判断を担っている。
- 内側上オリーブ核は、聴覚情報の空間的処理を行っている。
- オリーブ周囲核は、音源位置の特定に関与している。
臨床的重要性
- 損傷により、音源定位障害や複雑な音環境下での音声認識障害を引き起こす可能性がある。
- 聴性脳幹反応(ABR)における重要な構成要素として機能している。
発生学的特徴
- 後脳から発生し、生後の聴覚経験により、神経回路の微細構造が完成する。
脳の断面(模式図を含む)

dに対応する延髄と橋の移行部の断面の模式図

J0861 (図863-871で示された切断方向を示す、成人の脳幹を後ろから右側からの図)
