台形体 Corpus trapezoideum
解剖学的定義と位置
- 台形体は、橋下位に存在する構造物である (Gray and Williams, 2023)。
構造と経路
- 蝸牡神経腹側核および台形体背側核(上オリーブ核)からの線維束によって構成される (Paxinos and Mai, 2024)。
- これらの線維は、橋被蓋の背側部を横断して反対側へ走行する。
- 交差後は、前背側方向へ進み、外側毛帯と合流する (Nieuwenhuys et al., 2024)。
機能
- 聴覚情報の処理および伝達において重要な役割を果たす (Webster and Brodal, 2023)。
歴史的背景
- この構造は、その形状が幾何学的な台形に似ていることから、台形体(Corpus trapezoideum)と名付けられた (Standring, 2023)。
臨床的意義
- 聴覚伝導路の重要な中継点として、両耳からの音情報の統合に関与する。
- この領域の損傷は、音源定位能力の低下や両耳間時間差の検知障害を引き起こす可能性がある (Moore and Rees, 2024)。
発生学的特徴
- 胎生期の脳幹発達過程で形成される聴覚伝導路の重要な構成要素である (Larsen and Schoenwolf, 2023)。
関連する神経核と線維
- 蝸牛神経核、上オリーブ核、外側毛帯と密接な関係を持つ。
- 二次聴覚ニューロンの交差線維によって形成される (Kandel et al., 2024)。
参考文献