三叉神経中脳路 Tractus mesencephalicus nervi trigemini
1. 解剖学的構造と走行
- 三叉神経中脳路核から、突起が鎌状に伸び、三叉神経運動核まで下降する (Darian-Smith and Yokota, 1966)。
- 中脳から橋にかけて、中心灰白質の外側を走行し、脳幹の背外側部に位置する (Olszewski and Baxter, 1982)。
2. 生理学的特徴と機能
- 咀嚼筋からの固有感覚情報を、中枢神経系へ伝達する主要な経路である (Szentagothai, 1948)。
- 中枢神経系内に存在する、唯一の一次感覚ニューロンである (Ramon y Cajal, 1909)。
- 偽単極性ニューロンで構成され、末梢の感覚神経節に相当する (Johnston, 1909)。
3. 臨床的重要性
- 咀嚼反射の調節と、咀嚼運動の円滑な制御に重要な役割を果たす (Lund, 1991)。
- 障害により、咀嚼筋の固有感覚障害や咀嚼運動の協調障害を引き起こす可能性がある (Dubner et al., 1978)。
4. 発生学的特徴
- 神経堤由来の細胞が、中枢神経系内に移動して形成される特異な構造である (His, 1888; Johnston, 1909)。
5. 関連用語と解剖学的関係
- 上丘、下丘、中心灰白質など、中脳の主要な構造物との位置関係が重要である (Paxinos and Watson, 2006)。
- 三叉神経運動核、主知覚核との機能的な連携により、咀嚼反射の円滑な制御を可能にする (Dubner et al., 1978)。
6. 研究の歴史と発展
- この経路の発見は、中枢神経系における感覚情報処理の理解に重要な貢献をした (Ramon y Cajal, 1909)。
- 近年の研究により、咀嚼運動の制御における詳細なメカニズムが解明されつつある (Lund et al., 1998)。
参考文献