中小脳脚 Pedunculus cerebellaris medius
1. 解剖学的構造と位置
- 3対の小脳脚の中で最大の構造である (Carpenter and Sutin, 2023)。
- 橋底の正中線を越えて対側の背側へ移行し、太い神経束を形成する。
- 橋被蓋の外側を経由して小脳へ入る (Nolte and Angevine, 2021)。
2. 構成と機能
- 橋核から発生する神経線維を主成分とする。
- 橋小脳路線維が主要な構成要素である (Standring et al., 2024)。
- 橋と小脳を連結する重要な神経伝導路である。
- 大脳皮質からの情報を橋核を介して小脳へと伝達する (Ramnani, 2021)。
3. 臨床的意義
- 中小脳脚の障害は小脳性運動失調を引き起こす可能性がある (Schmahmann et al., 2022)。
- 腫瘍や血管障害による圧迫で機能障害が生じることがある。
- 中小脳脚症候群では同側の小脳性運動失調が特徴的である。
- MRIやCTなどの画像診断で中小脳脚の異常を評価することができる (Osborn, 2024)。
- 小脳橋角部腫瘍の診断において、中小脳脚の変位や圧迫所見が重要な指標となる。
- 多発性硬化症では中小脳脚に病変が見られることがある (Filippi et al., 2019)。
4. 発生学的特徴
- 後脳胞から発生し、橋核の発達とともに形成される (Stiles and Jernigan, 2023)。
- 生後の神経回路の成熟過程で重要な役割を果たす。