錐体路 Tractus pyramidalis
脳の断面(模式図を含む)

aに対応する上丘を通る断面の模式図

bに対応する下丘を通る断面の模式図

cに対応する三叉神経の高さの断面の模式図

dに対応する延髄と橋の移行部の断面の模式図
脳の断面(模式図を含む)

eに対応する迷走神経の高さ(延髄)の断面の模式図

fに対応する延髄と脊髄の移行部(錐体交叉を通る断面)の模式図

J0892 (錐体路の経路(赤)および大脳橋の経路(側頭部:淡褐色、前頭部:濃褐色)、聴覚経路の終端(黄色)および腹側外側視床核からの中央ループと結合腕の間接的な延長(青))

J0893(錐体路:赤、二次視放線:オレンジ、前頭橋路:茶褐色、側頭橋路:うす茶、聴放線:黄、一次視放線:紫、前視床脚:青、結合腕:緑、視床腹側核からの皮質路:青)

J0895 (16日齢の大脳半球の断面)
解剖学的構造
起始と経路
- 錐体路は主に大脳皮質の運動野(一次運動野、運動前野、補足運動野)から起始する (Dum and Strick, 2002)。
- 大脳皮質第5層(内錐体細胞層)の大型錐体細胞(ベッツ細胞を含む)がその起始細胞である (Jones and Wise, 1977)。
- 皮質脊髄線維は内包後脚を通過し、中脳の大脳脚、橋底部、延髄の錐体を下行する (Nieuwenhuys et al., 2008)。
- 延髄下端で91~97%の線維が交差し、錐体交叉を形成する (Carpenter, 1991)。
- 交差した線維は対側の脊髄側索を下行し(外側皮質脊髄路)、交差しない線維は前索を下行する(前皮質脊髄路) (Porter and Lemon, 1993)。
神経線維の構成
- 錐体路は有髄神経線維で構成され、直径の大きい線維が多く含まれる (Lemon, 2008)。
- 線維の一部は脊髄前角の運動ニューロンに直接接続し、一部は介在ニューロンを介して間接的に接続する (Rothwell, 1994)。
- 一部の線維は脳幹の運動性脳神経核(三叉神経運動核、顔面神経核、舌下神経核など)に終止し、皮質延髄路を構成する (Nudo and Frost, 2009)。
終止
- 主な終止部位は脊髄の前角細胞および中間帯の介在ニューロンである (Porter and Lemon, 1993)。
- 頸髄と腰髄では、特に指や足趾の微細運動を制御する運動ニューロンへの直接投射が豊富である (Lemon, 2008)。
系統発生学的特徴
- 錐体路は系統発生学的に新しい神経路であり、高等哺乳類、特に霊長類で高度に発達している (Nudo and Frost, 2009)。
- ヒトでは他の霊長類と比較して錐体路の線維数が多く、運動ニューロンへの直接投射が豊富である (Martin, 2005)。
発生学的特徴