橋は、脳幹に位置し、延髄と中脳を接続する構造物です。橋の名称は、腹側から見ると左右の小脳半球の間に架かった太鼓橋のように見えることから付けられました。比較解剖学的には、橋は哺乳類に限られて見られ、人類では最も発達しています。

橋は横断面で橋腹側部と橋背部に区分されます。両者の境界は、橋被蓋の腹側縁にあたる内側毛帯の腹側縁です。橋底部には横橋線維と橋縦束の他に橋核が存在し、大脳皮質からの下行神経線維が橋核に連絡します。

橋被蓋には、三叉神経核、顔面神経核、内耳神経核が存在し、外側毛帯と台形体の線維は聴覚路を形成します。さらに、第四脳室底の腹側には内側縦束が縦走し、上小脳脚が第四脳室蓋の外側部を形成しています。

橋は、信号の中継において重要な役割を果たし、呼吸、睡眠、顔の動きの制御など、さまざまな機能に関与しています。

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J0832 (右脳:成人脳の正中断面を左側からの模式図)

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J0833 (脳幹:脳の正中断面を左側からの図)

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J0834 (脳の底部:下方からの図)

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J0840 (後脳および延髄:左外側からの図)

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J0843 (脳:下前方からの図)

J0835 (脳幹:右方からの図)

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