延髄 Medulla oblongata
基本構造と位置 (Rauber and Kopsch, 2024)
- 延髄は脳幹の最下部に位置し、錐体交叉から橋まで延びている。
- 脊髄と比べて膨らんでいることから「球」(bulbus)という別名を持つ。
機能と重要性 (Gray and Williams, 2023)
- 第8〜12脳神経核、呼吸中枢、循環中枢が存在する。
- 上行性および下行性の伝導路が通過している。
- 生命維持に不可欠な部位であり、圧迫されると昏睡や死に至る危険がある。
血管分布の特徴 (Netter, 2024)
- 前脊髄動脈、後下小脳動脈、椎骨動脈から血液供給を受ける。
- 延髄上部は内側・外側・背側延髄枝を介して血液供給を受ける。
- 延髄下部も同様の血管分布パターンを持ち、重要な神経核と伝導路に血液を供給する。
主要な解剖学的特徴 (Sobotta et al., 2023)
- 外側表面に下オリーブ核による隆起(オリーブ結節)が見られる。
- 腹側正中溝の両側に錐体(皮質脊髄路)が走行している。
- 背側には第四脳室下部が位置している。
発生学的特徴 (Moore et al., 2024)
- 菱脳胞から発生し、髄脳(後脳の下部)に由来する。
- 胎生期の発達過程で脳室や神経核の分化が進む。
- 発生過程で神経回路の形成と機能的成熟が段階的に進行する。