
fに対応する延髄と脊髄の移行部(錐体交叉を通る断面)の模式図



J0861 (図863-871で示された切断方向を示す、成人の脳幹を後ろから右側からの図)



J0862 (図873-880で示された切断方向を示す、8〜9か月の人間の胎児の脳幹:後方およびやや右側からの図)

J0873 (毛帯(感覚)交叉の高さ、8-9ヶ月胎児の脳幹の断面)


J0888 (神経束と神経節細胞群を含む脊髄の模式的な断面図)
薄束は脊髄後索の内側部に位置する神経束で、ゴル束(Goll's tract)としても知られる (Standring, 2021)。脊髄の全長にわたって存在し、主に体の下半分からの神経線維を含む (Kandel et al., 2023)。
薄束は仙髄部、腰髄部、および下位6胸髄部の後根に由来する長い上行枝を含み、後根神経節細胞の中枢枝が構成する上行性伝導路である (Haines, 2024)。主に大径有髄線維から構成され、下肢からの感覚情報を正確に伝達する。
神経線維は体性位置局在性(somatotopic organization)を示し、内側から外側に向かって仙髄、腰髄、胸髄からの線維が配列する (Purves et al., 2022)。この配列により、身体の各部位からの感覚情報が組織的に伝達される。
薄束は触覚と深部知覚(固有受容覚)の伝達を担う重要な神経路である (Crossman and Neary, 2020)。特に識別性触覚、振動覚、位置覚、運動覚などの精密な感覚情報を伝達する。
線維は延髄の薄束核(gracile nucleus)まで上行し、ここで二次ニューロンにシナプスを形成する (Kandel et al., 2023)。薄束核で終止した二次ニューロンは内側毛帯(medial lemniscus)を形成し、視床の腹後外側核へと投射する。
この伝達経路は後索-毛帯路(dorsal column-medial lemniscal pathway)の一部を形成し、意識的な体性感覚情報を脳へと伝える (Haines, 2024)。伝導速度が速く、正確な位置情報と時間的分解能の高い情報を伝達できる特徴を持つ。
薄束の障害により、固有受容覚(位置覚、運動覚)と触覚・圧覚の障害が生じる (Ropper et al., 2023)。深部感覚の障害により、失調性歩行(ataxic gait)や振動覚の低下が出現する。筋力低下は見られないが、深部感覚障害による運動失調が特徴的である (Adams and Victor, 2023)。