後索(脊髄の)

脊髄の後ろ側を走る3大白質路の一つである後索は、脊髄の後正中溝と後角との間に存在する白質を指します。後索は、内側部の薄束と外側部の楔状束に分けられます。薄束は下半身(T6以下)に由来し、楔状束は上半身(T5以上)に由来します。楔状束は胸髄上部より吻側に存在し、胸髄下部以下では薄束のみが存在することに注意してください。 後索の線維の配列は身体部位局在があり、下位からのものは内側に、上位からのものは外側を上行します。これらの線維は内層毛帯を出す延髄の後索核で終わります。T5以上では外楔状束核に投影される線維が存在します。また、後索核に投影する脊髄後角の細胞の軸索も上行します。 後索の線維は、皮膚、関節、筋から由来し、識別性のある触覚覚、運動覚、振動覚、2点弁別を伝えます。後根線維の下行枝は、胸髄核の一部やⅥ層の内側に細胞に終わるなど、様々な場所に投影されます。頚髄および上部胸髄で下行する線維束は束間束を作り、腰髄では中隔縁束を形成します。 後索核の細胞も同側の後索に下行性線維を送ります。これらは第Ⅳ、Ⅴ層と多分第1層にも終止し、感覚性情報の上への伝達を調節していると思われます。

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J0887 (脊髄の概略断面図と主要な伝導経路)