外側皮質脊髄路 Tractus corticospinalis lateralis
解剖学的特徴
- 錐体交叉で交叉する線維群で構成される (Carpenter, 2020)。
- 反対側の脊髄側索後部を下行する (Gray et al., 2023)。
- 脊髄下端まで達し、下行過程で徐々に細くなる (Standring, 2021)。
- 起始部である一次運動野(中心前回)から延髄に至るまでの経路は、内包後脚、大脳脚、橋、延髄錐体を通過する (Vanderah and Gould, 2021)。
- 成人では完全に髄鞘化している (Ten Donkelaar et al., 2018)。
- 脊髄横断面では、後角と側角の間の側索に位置する (Watson et al., 2021)。
分布と構成
- 錐体路線維の約90%以上がこの経路を通るが、個体差が大きい (Welniarz et al., 2017)。
- 全髄節の灰白質に線維を送る (Watson et al., 2021)。
- 主に脊髄灰白質の第Ⅳ、Ⅴ、Ⅵ、Ⅶ層に分布する (Lemon, 2019)。
- 主に大きな錐体細胞(Betz細胞)からなる (Hammer et al., 2018)。
- 運動前野や補足運動野からの線維も含む (Rathelot and Strick, 2022)。
- 髄節毎に、特定の筋群の運動を制御する体部位局在性(somatotopy)を示す (Kandel et al., 2024)。
機能
- 随意運動の制御において中心的な役割を担う (Lemon, 2019)。
- 主に対側の筋の運動を制御する (Kandel et al., 2024)。
- 特に手指や足趾の巧緻運動に重要である (Isa et al., 2018)。
- 運動ニューロンに直接的または介在ニューロンを介して間接的に影響を与える (Rathelot and Strick, 2022)。