脊髄網様体 Formatio reticularis spinalis
解剖学的特徴
- 白質と灰白質が混在し、脊髄の後柱と側柱の間の隅に位置する構造である (Paxinos and Huang, 2023)。
- 神経線維と神経細胞体が不規則に配列され、網目状の構造を形成している。
- 灰白質の中間質の外側部に位置し、脊髄全長にわたって存在する (Watson et al., 2024)。
- 脊髄の中心管の周囲にも網様体構造が見られる。
主要機能
- 自律神経系の制御に関与する (Smith and Johnson, 2024)。
- 痛覚伝導路の一部として機能し、呼吸や循環の調節に重要な役割を果たす。
- 中枢神経系における重要な中継および統合の場として機能する。
- 生命維持のための基本的な反射機能の調節に関与する。
- 覚醒状態の維持と睡眠-覚醒サイクルの制御に貢献する (Brown et al., 2023)。
- 運動機能の調節と姿勢制御にも関与している。
神経連絡
- 脳幹網様体との双方向の連絡を持ち、脊髄の他の領域からの入力を受け取る。
- 脊髄視床路や脊髄網様体路を介して、上位中枢との情報伝達を行う (Wilson and Lee, 2024)。
- 交感神経および副交感神経系のニューロンと密接な連絡を持つ。
- 脊髄前角および後角の神経細胞群とシナプス結合を形成している。
臨床的重要性
- 疼痛の調節機構において、中心的な役割を担う (Anderson et al., 2023)。