第三脳室脈絡組織 Tela choroidea ventriculi tertii
基本構造
- 脳軟膜が大脳横裂を通って、第三脳室の上壁を形成する三角形状の組織である。
- 上葉と下葉からなり、その間のクモ膜下組織には、内大脳静脈が存在する。
- 三角形の頂点は脳弓柱、底辺は脳梁膨大、側辺は脈絡ヒモによって構成される。
解剖学的特徴
- 第三脳室の上壁を形成し、その下面は上衣板で覆われている。
- 正中線に沿って、左右1対の第三脳室脈絡叢が存在する。
- 側脳室の中心部および下角に入り込み、側脳室脈絡叢を形成する。
機能
- 脳脊髄液の産生と脳の恒常性維持に、重要な役割を果たしている。
臨床的意義
- 脳室系の異常や水頭症の診断において重要な構造物である。
- 腫瘍や炎症性疾患が発生する可能性があり、神経学的症状の原因となることがある。
発生学的特徴
- 胎生期に神経管から発達し、脈絡叢の形成に重要な役割を果たす。
- 発生過程で軟膜とクモ膜の陥入により形成される。

J0833 (脳幹:脳の正中断面を左側からの図)