硬膜

髄膜とは、脳と脊髄を覆う3層の膜のことです。具体的には:

これらの3層で構成されています。

髄膜の主な役割は中枢神経系を保護することです。クモ膜と軟膜を合わせて広義の軟膜(Leptomeninx)と呼ぶこともあります。

各層の特徴:

これらの膜の間には、硬膜下腔やクモ膜下腔などの空間があり、脳脊髄液の循環や保護に重要な役割を果たしています。

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J0902 (硬脳膜:上方からの図)

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J0903 (脳硬膜:右上方からの図)

日本人のからだ(後藤 昇・国府田 稔 2000)によると

頭蓋骨膜は厚くて強靭な結合組織の膜で、脳を包みながら頭蓋骨の内面に密着しています。脳の硬膜は、もともと2枚あったものが1枚になります。硬膜には、大脳鎌、小脳鎌、小脳テントという頭蓋腔に向かって突出した部分が存在します(図70)。大脳鎌は大脳縦裂の中に深く入り込み、左右の大脳半球を分けています。

小脳鎌は後頭静脈洞の発達状態と関連があり、後藤の100例の観察によれば、形成の良いもの(29%)、不完全なもの(43%)、欠損するもの(28%)に分類されます。小脳テントは小脳横裂の中に深く入り込み、大脳と菱脳を分けています。小脳テントには切れ目が1箇所あり、これをテント切痕と称し、この部分にあるのが中脳で、大脳と菱脳をつないでいます。