髄膜 Meninges
基本構造
- 髄膜は、脳と脊髄を覆う3層の保護膜である (Gray and Standring, 2024)。
- 外側から、硬膜、クモ膜、軟膜の3層で構成され、クモ膜と軟膜を合わせて広義の軟膜(Leptomeninx)と呼ぶ。
解剖学的位置関係
- クモ膜下腔は、クモ膜と軟膜の間に位置し、脳脊髄液で満たされている (Moore et al., 2023)。
- 硬膜と頭蓋骨の間には硬膜上腔、硬膜とクモ膜の間には硬膜下腔が存在する。
- これらの腔は通常は潜在的なスペースだが、出血などにより実質的な空間となることがある。
各層の特徴
- 硬膜は、頭蓋骨内面に密着する強靭な結合組織の膜である (Netter, 2023)。
- クモ膜は、薄く透明で、大脳溝や小脳溝を飛び越えて覆う。
- 軟膜は、脳脊髄の表面に密着し、全ての溝と裂に進入する。
血管支配
- 髄膜動脈は、主に中硬膜動脈と前・後髄膜動脈から供給される (Snell, 2023)。
- 静脈は硬膜静脈洞に集まり、主に内頸静脈を通じて還流する。
- 豊富な血管網により、髄膜の栄養供給と脳脊髄液の産生・吸収が維持される。
臨床的意義
- 髄膜炎、硬膜下血腫、クモ膜下出血などの重要な病態が発生する可能性がある (Kumar and Clark, 2024)。
- 脳脊髄液は、クモ膜下腔を循環し、クモ膜顆粒から静脈系へ吸収される。
- 循環システムの障害は、水頭症などを引き起こす可能性がある。