灰白質 Substantia grisea
基本的な特徴
- 脳と脊髄の一部であり、神経細胞体、樹状突起、およびシナプスを含む領域である。
- 神経細胞の核周体、樹状突起、軸索終末、シナプス、神経膠細胞、および血管により構成される。
- 灰色を呈する理由は、有髄神経線維が少なく、神経細胞体が密集しているためである。
- 神経細胞体に富むため、代謝が活発で酸素消費量が多い。
解剖学的特徴
- 脊髄においてはH字形を形成し、大脳半球と小脳では表面に皮質として分布する。
- 大脳皮質では6層構造を形成し、基底核や視床においては特徴的な核群を形成する。
- 中枢神経系における灰白質の分布は部位によって異なり、それぞれ特徴的な配置を示す。
- 脳幹では、様々な大きさと形状の核として存在し、特定の機能を担う神経細胞群を形成する。
- 小脳では、表面の皮質(外層)と深部の小脳核(内層)として分布している。
機能と歴史
- 情報処理や運動制御などの重要な機能を担っている。
- ソトー(Bichat)による灰白質と白質の分類は、神経系の理解に大きく貢献した。
- 灰白質の研究は19世紀初頭から本格的に始まり、神経科学の発展に重要な役割を果たした。
- 神経細胞の染色法の開発により、灰白質の微細構造の理解が大きく進展した。
- 電子顕微鏡の登場により、シナプスや神経細胞の超微細構造が明らかになった。
臨床的意義
- 神経変性疾患や脳卒中などの病態により、灰白質の変性や損傷が生じる。