リンパ系は組織間液を回収して静脈へ還流させる循環補助系であり、獲得免疫・自然免疫の場でもある。主な構成はリンパ、リンパ管、リンパ節、胸腺・脾臓・扁桃などのリンパ性器官で、体液バランス維持、免疫監視、脂質吸収の機能を担う。リンパ管は弁と平滑筋層を持ち、蠕動様にリンパを輸送し、胸管は左静脈角へ、右リンパ本幹は右静脈角へ流れる。リンパ節は免疫応答の中心で、感染・炎症・腫瘍転移の評価に重要。リンパ系の障害はリンパ浮腫、リンパ節腫脹、乳び胸・乳び腹水などを引き起こし、画像診断と適切な介入が必要である。
リンパ系は、組織間液(組織液)を回収して静脈系へ還流させる循環補助系であると同時に、獲得免疫・自然免疫の場として機能する(Standring, 2021;Moore, Dalley & Agur, 2023)。
主構成要素は、(1) リンパ(lymph)、(2) リンパ管(lymphatic vessels)、(3) リンパ節(lymph nodes)、(4) **リンパ性器官(胸腺 thymus、脾臓 spleen、扁桃 tonsils、MALT など)**である(Standring, 2021)。
毛細血管から間質へ濾過された液体は間質圧・膠質浸透圧などの影響を受け、間質液として存在する。これがリンパ毛細管へ取り込まれるとリンパと呼ばれる(Standring, 2021)。
リンパ毛細管は、基底膜が不連続で、内皮細胞の重なりが“弁様”に働き、周囲の組織圧変化により一方向性に開閉して間質液・蛋白を取り込む(Standring, 2021)。
リンパ管はリンパ毛細管→前集合管→集合リンパ管→リンパ本幹へ連続し、集合リンパ管以降は平滑筋層を持つ(Standring, 2021)。
リンパ管内腔には弁(valves)が多く、区画化された収縮単位(lymphangion)が連鎖して蠕動様にリンパを近位へ送る。外力として骨格筋ポンプ、呼吸運動、動脈拍動が還流を補助する(Standring, 2021)。
注意: リンパ管は「心臓に向かう片道輸送路」であり、静脈系同様に弁不全があると還流障害(浮腫)に関与しうる(Standring, 2021)。
胸管は通常、腹部で乳び槽 cisterna chyli(L1–L2 付近に多い)から始まり、横隔膜の大動脈裂孔を通って後縦隔を上行し、頸部で弓状に外側へ回って**左静脈角(左内頸静脈+左鎖骨下静脈合流部)**へ注ぐ(Standring, 2021;Moore, Dalley & Agur, 2023)。
胸管は一般に右上四分円(右頭頸部・右上肢・右胸郭の一部)以外のリンパを回収する(Standring, 2021)。