前腕正中皮静脈

前腕正中皮静脈は、以下の特徴を持つ静脈です:

前腕正中皮静脈の主な特徴:

前腕正中皮静脈の走行や分岐パターンには個人差が大きく、解剖学的な変異が豊富です。

J614.png

J0614 (右前腕の表在静脈:前方からの図)

『日本人のからだ(大久保真人 2000)』によると

前腕正中皮静脈は、掌側静脈網から生じ、尺骨側に近い前腕の掌側面を上って、他の皮静脈に合流します。その間に大小の枝を出し、吻合を生じるため、主幹の特定が困難な場合もあります。また、前腕正中皮静脈は変異性のある橈側皮静脈や肘正中皮静脈、安定性のある尺側皮静脈にも開口します。したがって、前腕正中皮静脈は非常に不安定な静脈であると言えます。

そこで、前腕正中皮静脈の主幹と分枝を区別せず、開口部位に基づく理論的な分類を試みました(表72参照)。その結果、前腕正中皮静脈は尺側皮静脈や肘正中皮静脈、またはその両方に流入することが最も多いことがわかりました。他の静脈に単独または分岐して流入する例はほとんど存在しないと考えられます。

表72 前腕正中皮静脈の開口部による分類と出現数

表72 前腕正中皮静脈の開口部による分類と出現数

I II III IV V VI VII 調査数
岡本(1922) 88 109 197 200
忽那(1925) 26 92 76 21 215 257
稗田(1927) 1 26 52 5 84 100
松本(1933) 302 404 13 90 809 812
小川ら(1956) 17 46 1 3 118 185 212
村田(1957) 167 209 65 59 500 500