肘正中皮静脈 Vena mediana cubiti

肘正中皮静脈は、肘窩の前面を尺側に斜めに上向きに流れる重要な皮静脈です。この静脈は解剖学的変異が豊富で、臨床的にも重要な構造です(Gray, 2015)。

解剖学的特徴

臨床的意義

解剖学的変異

肘正中皮静脈の出現頻度は研究によって異なりますが、多くの調査で80%以上の出現率が報告されています。del Sol et al.(2007)の研究では、上肢の皮静脈系全体の分類において、肘正中皮静脈が存在するパターン(II型)が最も一般的で、約77.76%の出現率とされています。

また、肘正中皮静脈は上腕二頭筋腱膜(bicipital aponeurosis)の表層を通過することが多く、この関係は静脈穿刺時の解剖学的ランドマークとして有用です(Lee et al., 2015)。

参考文献