外側胸静脈 Vena thoracica lateralis
外側胸静脈は胸壁前外側からの静脈還流を担い、主に腋窩部から胸壁外側を縦走し外側胸動脈に伴走しながら腋窩静脈へ流入する表在〜中間層の重要な血管で、神経やリンパ節と近接し手術や外傷での損傷リスクがある。血管の変異や他の胸部静脈系との交通が個人差大きく、臨床では血管怒張や血栓、出血リスクの評価が必要で、画像診断や手術時の血管保存・結紮判断に活用される。
概要
外側胸静脈(外側胸静脈;Vena thoracica lateralis/lateral thoracic vein)は、胸壁前外側(とくに前鋸筋・大胸筋外側縁周囲)からの静脈還流を担い、腋窩静脈系(axillary vein system)へ流入する表在〜中間層の重要な静脈である。(Standring, 2021)(Moore, Dalley, & Agur, 2023)
解剖(位置・層・走行)
位置関係(解剖学的肢位)
- 主に腋窩部〜胸壁外側を縦走し、**外側胸動脈(lateral thoracic artery)**に伴走することが多い。(Standring, 2021)
- 表在静脈網(胸壁皮下)と深部静脈(肋間静脈系)の“橋渡し”的な交通路として機能しうる。(Gray, 2021)
層構造(浅層→深層)
- 皮膚・皮下組織の静脈網(胸壁外側)
- 大胸筋外側縁・前鋸筋の筋膜面(胸筋筋膜/腋窩筋膜の連続)
- 腋窩血管束周囲(腋窩静脈前外側寄り)に合流(変異あり)(Moore et al., 2023)
走行(典型)
- 胸壁外側の静脈叢から集束し、前鋸筋の表面を上行して腋窩窩へ向かう。
- 近位では腋窩静脈、あるいは腋窩静脈に合流する枝(例:胸背静脈など)へ流入することがある。(Standring, 2021)
還流(流入・流出)と交通
主要な流出(終止)
- 代表的には**腋窩静脈(vena axillaris)**へ流入する。(Standring, 2021)
交通(重要)
- 胸背静脈(thoracodorsal vein)、胸肩峰静脈(thoracoacromial veins)、**肋間静脈(intercostal veins)**系との交通を取り得る。(Gray, 2021)