椎体静脈 Venae basivertebrales

J0616 (腰椎の静脈の正中断面:左側からの図)

J0617 (腰椎の静脈:上方からの水平断面図)
椎体静脈は、椎骨の椎体内部に存在する静脈系で、椎体の海綿質骨内を走行し、椎体の静脈還流において重要な役割を果たしています(Standring, 2020; Crock and Yoshizawa, 1977)。
解剖学的特徴
走行と構造:
- 椎体内部の海綿質骨内で複雑な静脈網を形成し、蛇行しながら走行します(Netter, 2018)。
- これらの静脈は椎体後面の中央部に向かって集束し、1本または数本の太い静脈幹となります(Standring, 2020)。
- 椎体後面のほぼ中央に開口する特徴的な静脈孔(basivertebral foramen)を通過して椎体外に出ます(Moore et al., 2017)。
- 椎体外では内椎骨静脈叢(前内椎骨静脈叢)に注ぎ込みます(Crock and Yoshizawa, 1977)。
静脈叢との連絡:
- 主に内椎骨静脈叢の前部(前内椎骨静脈叢)に流入し、これは脊柱管内で縦走する2本の静脈叢です(Standring, 2020)。
- 椎体静脈は横方向の連絡枝として機能し、左右の前内椎骨静脈叢を横断的に連結します(Crock and Yoshizawa, 1977)。
- 椎体の前面や側面の小孔を通じて、一部は外椎骨静脈叢にも流入します(Moore et al., 2017)。
- 椎間静脈を介して、分節動脈に伴走する体静脈系とも連絡しています(Groen and Ponssen, 1990)。
構造的特徴:
- 弁を欠くため、血流の方向が可変的で双方向性の流れが可能です(Batson, 1940)。
- 骨内の海綿質の間隙を利用した薄壁の静脈構造を持ちます(Standring, 2020)。
- 頭蓋骨の板間静脈(diploic veins)に相当する構造と考えられており、骨内静脈系として類似した機能を果たします(Gray's Anatomy, 最新版)。
臨床的意義
転移経路としての重要性: