上眼静脈

上眼静脈は、眼窩内の主要な静脈の一つで、以下の特徴を持っています:

また、上眼静脈には前頭部、鼻背、内眼角、鼻腔上部などからの静脈も連絡しています。眼窩内静脈系で最も太く、恒常的に存在しており、診断に重要な役割を担っています。

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J0606 (硬膜静脈洞:頭蓋底からの図)

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J0611 (顔の深部静脈:右側からの図)

日本人のからだ(後藤 昇・国府田 稔 2000)によると

眼静脈(図75)

眼窩に分布した眼動脈は、静脈血となり、上眼窩裂を通って海綿静脈洞に連絡します。この上眼静脈には、前頭部、鼻背、内眼角、鼻腔上部などからの静脈も連絡します。

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図75 眼窩を中心とした静脈の連絡(Corning, 1923改変)

図75 眼窩を中心とした静脈の連絡

AIOVPP: 下眼静脈と翼突筋静脈叢との吻合、AV: 眼角静脈、CS: 海綿静脈洞、FV: 顔面静脈、IJV: 内頚静脈、IOV: 下眼静脈、NFV: 鼻前頭静脈、PP: 翼突筋静脈叢、RMV: 下顎後静脈、SMV: オトガイ下静脈、SOV: 上眼静脈、STV: 浅側頭静脈