眼窩部の静脈 Venae orbitae
基本構造と機能
- 眼窩内の静脈血を集める主要な血管系であり、頭蓋外と頭蓋内の静脈を結ぶ交通路として機能する
- 顔面静脈、海綿静脈洞、翼突筋静脈叢と連絡し、重要な副側循環路を形成する
- 眼窩内の血液は上部と下部の2本の主要静脈幹に集まり、上眼窩裂を通って海綿静脈洞へと合流する
上眼静脈の特徴
- 眼窩内静脈系の主幹であり、臨床的に重要な意義を持つ
- 眼球の上内側から始まり、視神経上を通って外側へ走行し、鼻前頭静脈や網膜中心静脈などの支流を受け入れる
下眼静脈の特徴
- 眼窩底の外側部を走行し、下直筋と外側直筋の間に位置する
- 毛様体静脈などを受け入れ、深顔面静脈と吻合を形成して、上眼静脈または海綿静脈洞へと開口する

RK686(頭蓋底の静脈洞と眼窩の静脈)

RK688(眼窩の静脈およびその周辺の静脈の連結(半模式図))
眼窩内の諸器官からの血液は、2本の主要な静脈幹に集まる。太い方の幹は眼窩上部を走り、その経路は主に眼動脈の分枝に沿っている。一方、細い方の幹は眼窩底近くを走る。これら2本の幹は眼窩後端で合流して1本の太い静脈となり、上眼窩裂を通過して海綿静脈洞と結合する(RK688(眼窩の静脈およびその周辺の静脈の連結(半模式図)))。