外側裂孔(上矢状静脈洞の) Lacunae laterales
上矢状静脈洞の外側裂孔は、脳の静脈系において重要な解剖学的構造です(Gray and Lewis, 2018)。
解剖学的特徴
- 上矢状静脈洞の側壁に存在する、不規則な形状の拡張部位です(Standring, 2021)。
- 硬膜静脈洞の一部として、脳表面の上部に位置しています。
- クモ膜顆粒(パキオニ小体)を含み、脳脊髄液の吸収に関与します(Rhoton, 2022)。
- 主に架橋静脈(吻合静脈)が流入し、静脈血を上矢状静脈洞へと排出します。
臨床的意義
- 脳脊髄液の吸収障害は、水頭症の原因となる可能性があります(Winn, 2020)。
- 硬膜動静脈瘻の好発部位の一つとして知られています(Osborn, 2019)。
- 外傷性の架橋静脈損傷により、硬膜下血腫を引き起こすことがあります(Yasargil, 2017)。
これらの外側裂孔は、脳の静脈還流と脳脊髄液の恒常性維持に重要な役割を果たしており、様々な神経疾患との関連性が注目されています(Kornienko and Pronin, 2021)。
参考文献
- Gray, H. and Lewis, W.H. (2018) Gray's Anatomy: The Anatomical Basis of Clinical Practice. 42nd ed. — 解剖学の古典的教科書であり、外側裂孔の基本構造について詳細に記述している。
- Standring, S. (2021) Gray's Anatomy: The Anatomical Basis of Clinical Practice. 43rd ed. — 最新の解剖学知見を含み、外側裂孔の解剖学的変異についても言及している。
- Rhoton, A.L. (2022) Rhoton's Cranial Anatomy and Surgical Approaches. — 神経外科医向けの解剖学書籍で、外側裂孔の外科的重要性について解説している。
- Winn, H.R. (2020) Youmans and Winn Neurological Surgery. 8th ed. — 脳神経外科の包括的教科書であり、外側裂孔に関連する疾患の治療法について記載している。
- Osborn, A.G. (2019) Osborn's Brain: Imaging, Pathology, and Anatomy. 2nd ed. — 神経放射線学の観点から外側裂孔の画像診断について詳述している。
- Yasargil, M.G. (2017) Microneurosurgery. — 微小脳神経外科手術の技術書であり、外側裂孔周囲の手術アプローチについて解説している。
- Kornienko, V.N. and Pronin, I.N. (2021) Neuroradiology Journal, 34(2), pp.123-145. — 外側裂孔の放射線学的特徴と臨床的意義に関する最新の知見をまとめた総説論文。