腎動脈 Arteria renalis

J0586 (男性の腹部大動脈:腹面図)

J0764 (後腹壁にある男性の泌尿器:前方からの図)

J0766 (左腎:前方からの図)

J0767 (右腎:後方からの図)

J0769 (露出された腎盂を持つ右腎臓:後方からの図)

J0770 (新生児の腎臓:前方からの図)

J0977 (腹腔神経叢:前面からの図)
腎動脈は腎臓への血液供給を担う重要な血管であり、解剖学的特徴と臨床的意義を以下に詳述します(Gray et al., 2020; Standring, 2021):
解剖学的特徴
- 起始部:腹大動脈から直角に左右に分岐し、通常は上腸間膜動脈の約1cm下方(第1〜2腰椎の高さ)に位置します(Moore et al., 2018)
- 走行:腎動脈は腎門に向かって横方向に走行します
- 右腎動脈:左腎動脈より約2〜3cm長く、下大静脈・膵頭部・十二指腸下行部の後方を通過して右側へ進みます(Netter, 2019)
- 左腎動脈:膵体部と脾静脈の後方を左側へ走行します
- 直径:平均約5〜6mmで、腎静脈より細いです(Gümüş et al., 2012)
- 長さ:右腎動脈は約4〜6cm、左腎動脈は約2〜4cmです
分岐パターンと微細構造
- 第一分岐:腎門に到達する前または腎門部で前枝(ventral branch)と後枝(dorsal branch)に分岐します(Urban et al., 2001)
- 前枝:血管径が大きく(約70%の血流量)、腎盂の前面を走行し、腎臓の前部および中部を栄養します
- 後枝:比較的細く(約30%の血流量)、腎盂の後面を走行し、腎臓の後部を栄養します
- 区域動脈:前後枝はさらに4〜5本の区域動脈(segmental arteries)に分岐します(Graves, 1954; Sampaio and Passos, 1992)
- 終動脈:区域動脈はさらに小葉間動脈、弓状動脈、小葉内動脈へと分岐し、最終的に糸球体輸入動脈となります
解剖学的変異
- 副腎動脈(accessory renal arteries):一側に複数の腎動脈が存在する頻度は約20〜30%で、左側より右側に多く見られます(Ozkan et al., 2006)
- 極動脈(polar arteries):腎上極または腎下極に直接分布する副腎動脈で、特に下極動脈が多く観察されます(Satyapal et al., 2001)
- 早期分岐:腎動脈が腎門に到達する前に分枝するパターンが約15%に認められます(Khamanarong et al., 2004)