胆嚢動脈は肝動脈の右枝より分岐し、胆嚢と肝臓の臓側面に分布します。
日本人のからだ(宮木孝昌 2000)によると
胆嚢動脈(表42)
成人374例と胎児60例の調査結果によると、成人では胆嚢動脈の起始は肝動脈が365例(97.5%)、胃十二指腸動脈が7例(1.9%)、総肝動脈が1例(0.3%)、中肝動脈と胃十二指腸動脈が1例(0.3%)でした。一方、胎児では肝動脈が58例(96.7%)、胃十二指腸動脈が2例(3.3%)でした。
右肝動脈と中肝動脈が共存する成人44例(MSD型とMD型)では、胆嚢動脈の起始は右肝動脈が25例(56.8%)、中肝動脈が11例(25.0%)、両動脈が8例(18.2%)でした。胎児4例では、胆嚢動脈は全て右肝動脈から起こっていました。
表42 MSD型とMD型の肝動脈の場合の胆嚢動脈の起始と出現数(%)
表42 MSD型とMD型の肝動脈の場合の胆嚢動脈の起始と出現数(%)
胆嚢動脈の起始 | 成人a) | 胎児b) |
---|---|---|
中肝動脈(M) | 11(25.0) | 0 |
右肝動脈(D) | 25(56.8) | 4(100.0) |
両肝動脈(M,D) | 8(18.2) | 0 |
44(100.0) | 4(100.0) |
a): 宮木, 未発表, Miyaki et al. (1989) 、b): Miyaki (1989).