前肋間枝(内胸動脈の)Rami intercostales anterior

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J0403 (犬の横隔膜(左背面部)の動脈の分岐、頭側図)

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J0573 (腹部前壁の動脈:背面図)

内胸動脈の前肋間枝は、胸壁の肋間隙の前部に分布する重要な動脈分枝です。これらは肋骨間の前方部分の血液供給を担当し、胸部前壁の血行動態において中心的な役割を果たしています(Gray and Standring, 2021; Netter, 2023)。

解剖学的特徴

発生学的背景

前肋間枝は胎生期に鎖骨下動脈系から発生し、胸壁の分節的な血管分布パターンの形成に重要な役割を果たします(Sadler, 2022; Schoenwolf et al., 2021)。発生過程では、肋間動脈系全体が密接に連携しながら形成されます。

血管造影学的特徴

血管造影検査では、前肋間枝は内胸動脈の分枝として明瞭に描出され、その走行パターンは胸壁の手術計画において重要な情報を提供します(Mamatha et al., 2015; De Oliveira et al., 2018)。

臨床的意義

これらの枝は、胸壁前部の肋骨間隙(肋間隙)に血液を供給するだけでなく、胸壁の筋肉や皮膚、胸膜にも栄養を提供しています。また、これらの動脈の走行は、外科的処置を行う際の重要な解剖学的指標となります(Skandalakis et al., 2020; Karamürsel et al., 2006)。

画像診断

CTアンギオグラフィーやMRIでは、前肋間枝の走行と分布を非侵襲的に評価することができ、胸部手術の計画立案に有用です(Maldjian et al., 2007; Otsuka et al., 2016)。