鎖骨下動脈 Arteria subclavia
基本的特徴
- 右側は腕頭動脈から、左側は大動脈弓から直接分岐し、前斜角筋の後方を走行して第1肋骨の外側縁で腋窩動脈となる
- 主要な分枝は、椎骨動脈、内胸動脈、甲状頚動脈、肋頚動脈、下行肩甲動脈である
解剖学的変異
- 右鎖骨下動脈が食道の背側を走行する変異が0.2~1.6%の頻度で認められる
- 前斜角筋との位置関係では、まれに動脈が筋の浅層を走行するか、筋を貫通する変異がある(約0.7~0.9%)
臨床的意義
- 胸部、頚部、上肢の移行部に位置し、多様な分岐パターンを示すため、臨床的に重要である
- 鎖骨が強く下後方に牽引されると、動脈が圧迫され、橈骨動脈の脈拍が触知困難となることがある

J0530 (心臓の拡張時、胸肋面の腹頭図)

J0548 (大きな心臓血管の位置:腹面図)

J0549 (心臓の動脈、正面上方からの図)

J0552 (心臓の静脈:腹頭方からの図)

J0556 (大動脈弓とその枝:左前方からの図)