
頭頂枝(内側後頭動脈の)は、内側後頭動脈から分岐し、頭頂葉楔前部の内側面を上行して頭頂間溝周辺まで供給し、側副血行路として脳梗塞時に重要な役割を果たす。また、外科手術時の血管性病変の指標となり、視空間認知や身体図式に関与する領域の血液供給を担う。
頭頂枝(内側後頭動脈の)(Ramus parietalis arteriae occipitalis medialis / Parietal branch of medial occipital artery)は、後大脳動脈(posterior cerebral artery; PCA)遠位部の皮質枝の一つとして扱われることが多く、概念的には「内側後頭動脈(medial occipital artery)」から分岐して**頭頂葉内側面(楔前部〜頭頂間溝周辺)**へ向かう枝を指す。内側後頭動脈という呼称は、PCA 皮質枝の変異・細分類(頭頂葉内側面へ向かう枝の強さ、分岐パターン)を説明する文脈で用いられ、臨床的には「楔前部〜頭頂間溝周囲の皮質虚血」の責任血管同定に関わる。(Standring, 2021;Osborn, 2018)
一般的な走行のイメージとしては、PCA の遠位皮質枝が脳梁膨大部〜頭頂後頭溝(parieto-occipital sulcus)近傍をランドマークに内側面を後上方へ走り、**楔前部(precuneus)の皮質へ枝を配分しながら、さらに上方(頭頂間溝周辺)へ向かう。灌流域は、同じく内側面を走る前大脳動脈(ACA)遠位枝(後頭頂枝など)および PCA の頭頂後頭動脈(parieto-occipital artery)**などと境界・重複を持ちうるため、個体差が大きい。(Rhoton, 2002;Standring, 2021)
楔前部〜頭頂葉内側面は、視空間認知、注意、身体図式、自己関連処理などのネットワークに関与するため、頭頂枝領域の虚血では以下が問題となりうる(ただし症候は個体差・優位半球差が大きい)。
※「頭頂枝(内側後頭動脈の)」単独閉塞だけで典型症候が固定的に出る、というより、皮質枝の変異と灌流境界により症候が変動する点が実務上重要。(Caplan, 2016;Ropper & Samuels, 2019)