下皮質枝(中大脳動脈の) Rami terminales inferiores arteria cerebri medii

内頚動脈.png

右の内頚動脈(前方から見た図)

中大脳動脈の下皮質枝(M3区)は、前・中・後側頭動脈や側頭後頭動脈、角回動脈から構成され、側頭葉下部とウェルニッケ野を含む上部へ血流を供給し、感覚性失語や視覚認知障害を引き起こす虚血リスクが高い。評価はMRA・CTAで可能だが、細枝の詳細は脳血管造影が有用で、側副血行路の状態が治療方針に重要となる。

概要(Terminologia Anatomica / 臨床解剖)

中大脳動脈(middle cerebral artery; MCA)の下皮質枝は、MCAの遠位部(概ねM3–M4)から分岐し、側頭葉外側面〜下部、側頭頭頂移行部(角回周辺)などに灌流を与える皮質枝群である(Standring, 2021)。臨床的には、優位半球側の灌流障害で感覚性失語(Wernicke失語)、劣位半球側で半側空間無視、さらに側頭頭頂連合野の障害で視覚認知・聴覚言語処理の障害が問題になりやすい(Moore et al., 2023; Adams & Victor, 2019)。

解剖:起始・走行・主要分枝

1) 分節と分枝の位置づけ(M1–M4)

※「下皮質枝」は、臨床文脈では主にM3–M4の範囲で言及される(Standring, 2021)。

2) “下終末枝(inferior terminal trunk)”と下皮質枝群

MCAはしばしば**上幹(superior trunk)下幹(inferior trunk)**に分かれ、下幹から側頭葉・側頭頭頂部へ向かう皮質枝が分岐する(Standring, 2021)。代表的には以下が含まれる: