浅側頭動脈 Arteria temporalis superficialis
基本的特徴
- 外頚動脈の浅層における終枝で、下顎枝の頚部から分岐し上方へ走行する
- 頬骨弓の上方で前頭枝と頭頂枝の2本の終枝に分岐する
主要な分枝
- 耳下腺枝:耳下腺へ分布する主要な血管枝
- 顔面横動脈:頬骨弓と耳下腺管の間を水平に走行し、耳下腺と顔面筋へ分枝を送る
- 中側頭動脈:側頭筋膜を貫通し、側頭筋の栄養を担う
終枝の特徴
- 前頭枝:前頭部に分布し、眼輪筋、前頭筋、帽状腱膜を栄養する
- 頭頂枝:前頭枝より通常太く、頭蓋骨を被覆する組織に分布する
解剖学的変異
- 眼動脈の終枝と太い吻合を形成することがあり、その場合は前頭枝が頭頂枝より太くなる可能性がある

RK639(体幹上半の動脈(I):浅層の諸枝)

RK640(体幹上半の動脈(II):深層の諸枝)

RK641(外頚動脈の深部枝)

RK642(顔面動脈と顎動脈)
**変異:**時に浅側頭動脈が眼動脈の終枝とかなり太い吻合を形成することがある。また、しばしば前頭枝が頭頂枝よりも太くなり、頭頂部で大きな弧を描いて後頭動脈とつながることがある。顔面横動脈が非常に発達し、細い顔面動脈を代償することがあり、また顔面横動脈がしばしば外頚動脈から直接分岐することもある。

J0557 (頚部浅層の動脈:右前方からの図)

J0559 (顔面表層の動脈:右側からの図)
