乳突枝(後鼓室動脈の) Rami mastoidei arteriae tympanicae posterioris

J0565 (右側の内頚動脈と鼓室)
解剖学的特徴
- 後耳介動脈の茎突乳突枝から分岐する後鼓室動脈の一分枝である(Gray and Williams, 2023)。
- 顔面神経管を経由して、乳突蜂巣に至る血管である(Standring et al., 2024)。
- 茎突乳突孔を通過後、乳突部内を走行する(Proctor, 2023)。
- 乳突蜂巣内で複数の細枝に分かれ、豊富な血管網を形成する(Moore et al., 2023)。
血管支配領域
- 乳突蜂巣全体への血液供給を担当する(Netter, 2024)。
- 乳突洞粘膜、乳突蜂巣の骨壁、および周囲軟部組織を栄養する(Drake et al., 2023)。
- 顔面神経管内の顔面神経への栄養も一部担う(Drake et al., 2023)。
臨床的意義
- 中耳炎の波及による乳様突起炎(乳突炎)の際に重要な役割を果たす(Schuknecht, 2023)。
- 乳突削開術(mastoidectomy)時に出血源となることがある(Gulya et al., 2024)。
- 側頭骨骨折時に損傷を受ける可能性があり、出血の原因となりうる(Gulya et al., 2024)。
- 慢性中耳炎における乳突蜂巣の含気化や粘膜病変の進展に関与する(Schuknecht, 2023)。
解剖学的変異
- 走行経路や分枝パターンに個人差が存在する(Proctor, 2023)。
- 後頭動脈や中硬膜動脈からの吻合枝を受けることがある(Standring et al., 2024)。