茎乳突孔動脈 Arteria stylomastoidea

J0564 (頚深部の動脈、右方からの図)

J0565 (右側の内頚動脈と鼓室)
解剖学的特徴
- 後耳介動脈から分岐し、茎乳突孔を通過して、側頭骨内に入る (Gray and Williams, 2021)。
- 走行経路は、茎乳突孔から顔面神経管を経て、内耳道底に至る (Standring, 2023)。
- 顔面神経に随伴して走行し、神経の栄養血管としての機能を果たす (Moore et al., 2022)。
血液供給領域
- 外耳道後壁の軟部組織および骨部組織への血液供給を行う (Netter, 2023)。
- 乳突蜂巣の粘膜および骨組織に栄養を供給する。
- 半規管(前庭系)への血液供給を担う (Drake et al., 2020)。
- アブミ骨筋および周囲組織への血液供給を行う。
- 前庭器官への栄養供給を担当する。
血管吻合ネットワーク
- 内頚動脈の鼓室枝との吻合により、中耳腔の血液供給を補完する (Snell, 2022)。
- 上行咽頭動脈の鼓室枝との吻合により、側頭骨底部の血流を確保する。
- 迷路動脈との吻合は、内耳機能の維持に重要な役割を果たす (Ellis, 2023)。
臨床的意義
- 顔面神経麻痺の血行再建術における重要な指標血管として注目される (Hansen, 2022)。
- 中耳手術時の重要な出血源となりうるため、術中の慎重な操作が必要である (Rohen et al., 2021)。
- 内耳疾患(メニエール病など)の病態に深く関与する可能性がある。