後頭動脈
後頭動脈は、主に外頚動脈から分岐する動脈です。その主な特徴と分布は以下の通りです:
- 乳突枝:乳突孔を通過し、乳突蜂巣に分布。中硬膜動脈と吻合します。
- 耳介枝:胸鎖乳突筋の下を斜めに走行し、耳介後部に分布。後耳介動脈と吻合します。
- 胸鎖乳突筋枝:胸鎖乳突筋に分布します。
- 後頭枝:通常強く屈曲し、僧帽筋を貫通して後頭部に分布します。
- 下行枝:後頭動脈の後頭窩部分から分岐し、後部頚筋や僧帽筋の頚部に分枝。浅深頚動脈や椎骨動脈と吻合します。
後頭動脈の走行経路には変異が見られます。典型的には、顎二腹筋後腹の内側を上行し、側頭骨の後頭動脈溝を通過。その後、僧帽筋付着部の外側から皮下に現れ、後頭部へと分布します。
日本人の場合、後頭動脈の起始は主に外頚動脈ですが、稀に総頚動脈や内頚動脈から分岐することもあります。また、上行咽頭動脈や後耳介動脈と共同幹を形成する例も多く観察されています。
J0557 (頚部浅層の動脈:右前方からの図)
J0558 (喉頭と舌の動脈:右側からの図)
J0559 (顔面表層の動脈:右側からの図)
J0560 (頭蓋骨の動脈、頭蓋骨の上方からの図)
J0561 (顔の深部動脈:右側からの図)