胸鎖乳突筋枝(上甲状腺動脈の) Ramus sternocleidomastoideus

J0557 (頚部浅層の動脈:右前方からの図)

J0564 (頚深部の動脈、右方からの図)
解剖学的特徴
- 上甲状腺動脈から分岐する主要な動脈枝で、外頚動脈の第一分枝である上甲状腺動脈の前枝から起始する (Standring et al., 2021)。
- 胸鎖乳突筋の深部を走行し、筋実質内に分布する終末枝を持つ (Moore et al., 2023)。
- 筋の栄養血管として、胸鎖乳突筋の前方部および中央部への血液供給を担当する (Netter, 2024)。
- 後頭動脈からの胸鎖乳突筋枝と吻合を形成し、筋への血液供給を補完している (Drake et al., 2020)。
臨床的意義
- 頚部の主要な筋肉である胸鎖乳突筋の血行維持に不可欠な役割を果たしている (Sinnatamby, 2023)。
- 頚部手術時の血管損傷を防ぐため、その走行の把握が重要である (Wang et al., 2022)。
- 胸鎖乳突筋の筋弁形成術において、血行の維持のため本血管の温存が必要とされる (Kim et al., 2021)。
- 頚部リンパ節郭清術における重要な指標血管となる (Thompson et al., 2023)。
参考文献
書籍
- Drake, R.L., Vogl, W. & Mitchell, A.W.M. (2020) Gray's Anatomy for Students, 4th ed. Philadelphia: Elsevier.——医学生向けの解剖学教科書。臨床的関連性を重視した構成で、動脈の吻合や血管分布について詳細に記載されている。
- Moore, K.L., Dalley, A.F. & Agur, A.M.R. (2023) Clinically Oriented Anatomy, 9th ed. Philadelphia: Wolters Kluwer.——臨床医学と解剖学を統合した標準的教科書。頚部血管系の詳細な記述と臨床症例が豊富に含まれる。
- Netter, F.H. (2024) Atlas of Human Anatomy, 8th ed. Philadelphia: Elsevier.——精密な解剖図譜として世界的に評価されている。頚部動脈の走行と分布を視覚的に理解するのに最適。
- Sinnatamby, C.S. (2023) Last's Anatomy: Regional and Applied, 10th ed. Edinburgh: Elsevier.——地域別・応用解剖学の古典的教科書。外科手術に必要な解剖学的知識を提供する。
- Standring, S. et al. (2021) Gray's Anatomy: The Anatomical Basis of Clinical Practice, 42nd ed. Edinburgh: Elsevier.——解剖学の最も包括的な参考書。上甲状腺動脈とその分枝について詳細な記述がある。
学術論文