大動脈弓 Arcus aortae

J0530 (心臓の拡張時、胸肋面の腹頭図)

J0531 (心臓:拡張時、横隔膜面の背尾図)

J0548 (大きな心臓血管の位置:腹面図)

J0549 (心臓の動脈、正面上方からの図)

J0550 (心臓の動脈、背尾図)

J0551 (心臓の静脈:背尾図)

J0552 (心臓の静脈:腹頭方からの図)

J0556 (大動脈弓とその枝:左前方からの図)

J0633 (出産後の胎児の血管:前方から少し左側からの図)

J0634 (腹部およびやや左側からの分娩後の胎児の血液循環を示す図)

J0685 (食道と気管とその周囲:前方からの図)

J0759 (左の胸腔と縦隔、肺および胸膜の除去:左側からの図)

J0760 (胸骨を通る水平断面:上方からの図)

J0924 (胸腔および腹腔にある左迷走神経:左側からの図)
解剖学的位置と構造
- 大動脈弓は胸骨後方の上縦隔に位置し、上行大動脈から連続する約5〜6cmの弯曲部である (Gray and Standring, 2016)。
- 気管分岐部の高さ(第4-5胸椎レベル)で、左主気管支の上方を通過し、左後方へ弧を描く (Moore et al., 2018)。
- 大動脈峡部を経て、第4胸椎体左側で下行大動脈へと移行する。
- 周囲には重要な構造物(反回神経、迷走神経、横隔神経)が近接している (Netter, 2019)。
主要分枝と血流支配
- 腕頭動脈(右鎖骨下動脈と右総頸動脈に分岐):右上肢、頭頸部右側への血流供給
- 左総頸動脈:左側頭頸部への血流供給
- 左鎖骨下動脈:左上肢、左椎骨動脈を介した脳底部への血流供給
- これらの分枝のバリエーションは臨床的に重要で、血管造影や手術時の注意点となる (Bergman et al., 2016)。
臨床的意義
- 大動脈弓症候群:血管輪による気管・食道圧迫症状 (Kumar and Abbas, 2018)
- 大動脈解離:Stanford A型では大動脈弓に及ぶことが多く、緊急手術の適応となる (Erbel et al., 2014)
- 動脈硬化性病変:脳血管障害や上肢虚血の原因となりうる (Korotkova and Farber, 2017)
- 先天異常:右側大動脈弓(0.1%)や重複大動脈弓などが存在し、呼吸・嚥下障害の原因となる (Sadler, 2019)
発生学と先天異常
- 胎生期の6対の鰓弓動脈から発生し、左第4鰓弓動脈が大動脈弓となる (Schoenwolf et al., 2015)。
- 発生異常により様々な血管輪(完全型・不完全型)が形成される (Kau et al., 2007)。