大動脈弓 Arcus aortae
基本構造と特徴
- 大動脈弓は上行大動脈から連続する約5〜6cmの弯曲部であり、肺動脈分岐部および左気管支を越えて左後方へ湾曲する。
- 第四胸椎体の左側で下行大動脈(胸大動脈)へと移行する。
- 頭部、頚部、上肢への血液供給を担う主要な動脈の起始点である。
分岐パターン
- 通常、腕頭動脈、左総頚動脈、左鎖骨下動脈の3本の主要な枝が分岐する。
- Adachiによる分類(A-G型)を基本とし、後にWilliamsらと中川の追加により、計16型の分類体系が確立された。
- 最も一般的な形態はA型(約84.6%)であり、3本の主要な枝が個別に分岐するパターンを示す。
発生学的特徴
- 胎生4週に6対の鰓弓動脈が発生し、第6週から第8週の間に成人の配置へと変化する。
- 発生過程での変異により、重複大動脈弓や右側大動脈弓などの異常型が生じることがある。

J0530 (心臓の拡張時、胸肋面の腹頭図)

J0531 (心臓:拡張時、横隔膜面の背尾図)

J0548 (大きな心臓血管の位置:腹面図)
