右冠状動脈

右冠状動脈は、大動脈の起始部(大動脈洞)の前面から始まり、肺動脈と右心耳の間を通って冠状溝に達します。ここから、この溝を右回りに進み、心臓の後面へと進行します。冠状溝を通過する際に、右辺縁枝を下方へと分岐させます。しかし、その主幹は、後室間溝を後面で下行する太い動脈(後室間枝)となり、心尖に向かって下降します。

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J0547 (大動脈弁を広げた図)

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J0549 (心臓の動脈、正面上方からの図)

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J0550 (心臓の動脈、背尾図)

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J0552 (心臓の静脈:腹頭方からの図)

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J0556 (大動脈弓とその枝:左前方からの図)

日本人のからだ(村上弦 2000)によると

単冠状動脈

右冠状動脈は大動脈から始まり、冠状溝に至るまで肺動脈と右心耳の間を通ります。その後、心臓の後面へ進み、右辺縁枝を下に分岐し、心尖に向かいます。

左冠状動脈は右心耳と肺動脈間から出現し、前室間溝を下降します。大きな枝が後方に回り、右冠状動脈の枝とつながり、左辺縁枝が下方に分かれます。

単冠状動脈には、左右どちらか1本の冠状動脈が本来の走行を示しながら、欠如側にも側副枝を送るSmith 1型と、左右どちらかの単冠状動脈がただちに通常走行の左右2枝に分岐するSmith 2型が存在します。これらはしばしば虚血性心疾患の発症によって発見されます。日本でも両型の報告があり、中には高齢での発見や治療例も存在します(殿本ら、1995)。