大動脈弁

大動脈弁は、心臓の重要な構造であり、以下のような特徴を持ちます:

大動脈弁の主な機能は、左心室から大動脈への血液の一方向の流れを確保し、心臓の収縮時に血液が心臓に逆流するのを防ぐことです。

また、大動脈弁には以下のような変異が報告されています:

これらの変異は心臓の機能に影響を与える可能性があり、医学的に重要な意味を持ちます。

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J0537 (左心室における房室束とその分岐)

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J0547 (大動脈弁を広げた図)

日本人のからだ(村上弦 2000)によると

大動脈弁は大動脈の起始部に位置し、3つの部分から構成されています。基本的な形状は肺動脈弁とほぼ同じで、右半月弁、左半月弁、後半月弁という3つの半月形状のポケット状の弁からなります。これら各弁は冠状動脈の起始部と関連しており、右半月弁は右冠尖、左半月弁は左冠尖、後半月弁は無冠尖とも呼ばれます。

大動脈二尖弁の解剖学的報告は少ないですが、(図7, Ohtsuka et al., 1996)によれば、臨床的には大動脈二尖弁はそれほど珍しくなく、大動脈弁置換術466例中59例(12.7%)に見られ、その60-80%は男性で、40-50歳で手術を受けることが多いです。しかし、全解剖例では、0.023%に過ぎません(Ohtsuka et al., 1996)。大動脈二尖弁はしばしば石灰化するか、あるいは粘液状に変性します。また、右冠状動脈の高位起始例が大動脈二尖弁と合併することが報告されています。

一方、大動脈四尖弁は大動脈弁置換術106例中1例(日本の報告では10例余り)に過ぎず、大動脈二尖弁よりも高齢の患者さんで見つけられることが多いです(図8) (藤田ら、1978; 原ら、1986; 有川ら、1990; 浜田ら、1990; 塩井ら、1991; 恒元ら、1995)。