左半月弁(肺動脈弁の)Valvula semilunaris sinistra (Valva trunci pulmonalis)

J0540 (収縮した心室:心房を除去した後の基盤、弁が閉じている図)
解剖学的特徴
位置と構造:
- 肺動脈弁は右心室流出路と肺動脈幹の境界部に位置し、3つの半月状の弁尖(左半月弁、右半月弁、前半月弁)から構成されています(Gray, 2020)
- 左半月弁は、心臓の解剖学的位置関係において左側に位置し、後方に向かって配置されています(Moore et al., 2018)
- 各弁尖は薄い結合組織からなる三層構造(線維層、海綿層、心室層)を持ち、弾力性と強度を兼ね備えています(Schoen, 2016)
- 弁尖の自由縁には結節(nodulus)があり、弁の完全な閉鎖を助けています(Anderson et al., 2013)
- 弁尖の基部は線維輪(annulus fibrosus)に付着し、心臓骨格の一部を形成しています(Ho & McCarthy, 2019)
機能的解剖:
- 心室収縮期(収縮期)には、右心室内圧の上昇により弁尖が開放し、血液が肺動脈へ駆出されます(Guyton & Hall, 2015)
- 心室拡張期(拡張期)には、肺動脈内圧が右心室内圧を上回ると、3つの弁尖が協調して閉鎖し、血液の逆流を防ぎます(Levick, 2018)
- 弁尖が閉鎖する際、各弁尖の自由縁が互いに密着し、完全な閉鎖面を形成します(Thubrikar, 2019)
- 肺動脈弁は大動脈弁と異なり、冠動脈の起始部がないため、バルサルバ洞(肺動脈洞)の構造がより単純です(Anderson et al., 2013)
組織学的構造:
- 心室側は心内膜で覆われ、肺動脈側は内皮細胞で覆われています(Schoen, 2016)
- 弁尖内部には弾性線維とコラーゲン線維が豊富に存在し、反復的な開閉運動に耐える構造となっています(Sacks et al., 2009)
- 血管分布は乏しく、主に拡散によって栄養供給を受けています(Gross & Kugel, 1931)
臨床的意義