肺動脈口 Ostium trunci pulmonalis

J0534 (心室の筋組織:固定されない、取り外された標本、少し模式的な背尾図)
肺動脈口は、右心室と肺動脈幹を連結する重要な開口部であり、心臓の右側系における血液駆出の起点となります(Gray, 2020; Moore et al., 2018)。
解剖学的特徴
位置と構造:
- 右心室の前上部(漏斗部、conus arteriosus)に位置します(Standring, 2021)。
- 三尖弁口(房室口)の前方かつ上方に存在します(Moore et al., 2018)。
- 大動脈口の左前方に位置し、両者は線維性結合組織によって連結されています(Gray, 2020)。
- 開口部の直径は約2.5〜3.0cmで、大動脈口よりもわずかに大きいです(Standring, 2021)。
肺動脈弁(Valva trunci pulmonalis):
- 3つの半月弁(semilunar cusps)から構成されます:前弁、右弁、左弁(Gray, 2020)。
- 各弁尖は線維性組織からなり、自由縁には小結節(nodulus valvulae semilunaris)が存在します(Moore et al., 2018)。
- 弁尖の基部には肺動脈洞(Sinus trunci pulmonalis)と呼ばれる膨らみがあります(Standring, 2021)。
- 収縮期には弁が開放され、拡張期には血液の逆流により弁が閉鎖します(Levick, 2018)。
血流動態:
- 右心室収縮時、肺動脈口を通じて脱酸素化された静脈血が肺動脈幹へ駆出されます(Levick, 2018)。
- 正常な成人では、1回拍出量の約70〜80ml(心拍出量の約5L/分)が通過します(Boron & Boulpaep, 2017)。
- 肺動脈圧は収縮期で25〜30mmHg、拡張期で8〜12mmHgと、大動脈圧よりも著しく低い値を示します(Levick, 2018)。
臨床的意義