動脈円錐(右心室の)Conus arteriosus
右心室の動脈円錐(漏斗部)は、心臓の解剖学的に重要な構造であり、以下のような特徴と臨床的意義を持ちます。解剖学的特徴と機能的役割について、近年の研究成果を踏まえて解説します(Anderson et al., 2019; Ho and Nihoyannopoulos, 2006)。

J0530 (心臓の拡張時、胸肋面の腹頭図)

J0532 (最大に収縮した心筋の浅層:腹頭図)

J0536 (右心室の心房室束とその分岐)

J0540 (収縮した心室:心房を除去した後の基盤、弁が閉じている図)

J0543 (大きく広がった成人の右心房:右側からの図)

J0544 (胎児(8ヶ月)の心臓の右心房:右方からの図)

J0545 (強く拡大した心臓の右心室:右側と上方からの図)

J0546 (拡大した心臓の左室(左心室):腹部の左側からの図)

J0549 (心臓の動脈、正面上方からの図)
解剖学的特徴
- 位置:右心室の上部に位置し、肺動脈弁へと続く漏斗状の流出路を形成(Tandler et al., 2018)
- 構造:内壁は平滑筋で構成され、肉柱や乳頭筋を欠く特徴的な領域(Loukas et al., 2020)
- 境界:上縁は肺動脈弁、下部は漏斗稜(supraventricular crest)によって心室本体と区分される
- 血管支配:右冠状動脈の円錐枝(conus branch)により灌流される(Saremi et al., 2017)
- 発生:発生学的には心球(bulbus cordis)に由来し、胎生期の心臓発生において重要な役割を果たす(Moorman and Christoffels, 2019)
機能的意義
- 右心室から肺動脈への血液の効率的な流れを促進(Buckberg and Hoffman, 2022)
- 収縮時に血液を肺循環へ送り出す推進力を生み出す
- 渦流や乱流を最小限に抑え、血行動態を最適化する(Kilner et al., 2023)
臨床的重要性
- 先天性心疾患:肺動脈狭窄、ファロー四徴症、大血管転位症などで形態異常が見られる(Bacha et al., 2021)
- 外科的意義:心臓手術、特に先天性心疾患の修復時に重要な解剖学的指標となる(Jonas et al., 2018)
- 不整脈:右室流出路起源の心室性不整脈の発生部位となることがある(Dukkipati et al., 2020)
- カテーテル治療:特定の不整脈に対するアブレーション治療の標的部位となる場合がある(Santangeli and Marchlinski, 2019)
動脈円錐は、その独特な発生学的起源と構造により、心臓病学において診断・治療上の重要な解剖学的ランドマークとなっています。特に先天性心疾患の理解と治療において、この構造の正確な評価は不可欠です(Redington et al., 2022)。
参考文献