副腎は小さく扁平な内分泌腺で、腎臓の上部に位置しています。哺乳類の副腎は、発生学的に異なる2つの内分泌組織から成り立っています。一部の下等動物では、これら2つの要素がそれぞれ個別の内分泌腺として存在することもあります。これら2つの要素は、副腎皮質と副腎髄質と呼ばれます。
日本人のからだ(村上 弦 2000)によると
(1)計測値
大きさや重さについては、表40, 41に記載されています。
日本法医学会課題調査委員会(1992)の報告によると、年齢別最大値は男性で20歳および51-55歳(6.2 g)、女性で21-25歳(5.9g)に見られます。0歳(男性4.1 g、女性4.0 g)から1ヵ月(男性2.4g,女性2.3g)の期間は重量が減少します。以前のデータと比較すると、平均重量は減少傾向にあると考えられます(佐藤、1991 a)。妊婦の副腎の重量は、妊娠16-18週をピークに山型の変化を示し、他の内分泌腺とは異なります(三枝, 1970)。
生後1年までは割面における皮質と髄質の比は13:1-8:1ですが、それ以降は6:1-3:1の範囲になります(佐藤、1991 a)。ただし、成人では10:1とも言われています。
表40 副腎の大きさ(mm)
右副腎 | 左副腎 | |||
---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | |
幅 | 53.0 | 53.7 | 56.8 | 55.7 |
高さ | 32.6 | 31.0 | 29.0 | 27.0 |
厚さ | 4.4 | 4.5 | 5.5 | 5.2 |
(羽太, 1918)
表41 副腎の重量(g)