下垂体 Hypophysis
下垂体の解剖学的特徴
- 下垂体は長軸を横に向けた楕円体で、蝶形骨の下垂体窩内に位置し、鞍隔膜という特殊な硬膜板に覆われている。
- 平均的大きさは幅14.4mm、厚さ11.5mm、高さ5.5mmで、灰白色を呈し赤みを帯び、かなりの硬度を持つ。
- 非妊娠女性の下垂体絶対重量は平均0.611gで、このうち80%が前葉、18%が後葉、1.5%が中間部を占める(妊娠中は前葉が肥大する)。
下垂体の構造
- 神経葉(後葉・神経性下垂体)と腺葉(前葉・腺性下垂体)の二部分から構成され、両者は発生学的起源が異なるが強固に結合している。
- 前方の腺葉は外面が灰白赤色、内部が灰白色であり、後方の神経葉は主にグリアからなり、腺葉より軟らかく淡い灰色を呈する。
- 腺葉には神経性下垂体に隣接する中間部、漏斗下端の隆起部、およびこれらを除く主部が区別される。
周辺構造との関連
- 視索は大脳脚内側で脳底灰白交連表面を越え、これと癒着しつつ進み、灰白隆起および漏斗の前方で合流し、視神経交叉を形成する。

図410(脳の正中断面の一部を拡大したもの)

図417(脳底の図)

図424(下垂体)

図445(小脳天幕と大脳鎌)

図446(下垂体を通る正中断面)

J0570 (脳を取り除いた後の頭蓋内の大きな脳動脈の位置:左側からの右頭蓋の図)

J0605 (右側の海綿静脈洞の冠状断面:背面からの図)

J0833 (脳幹:脳の正中断面を左側からの図)